引越しを考えているが、初期費用が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。仕事などの事情で引越ししなければならないときや、環境を変えたくて引越ししたいときなど、どのように費用を工面すれば良いか悩むかもしれません。
納得のいく引越しをするためには、引越し費用をなるべく安く抑えつつ、初期費用を払えないときにとれる対策を前もって知っておくことが大切です。
今回は、引越しにかかる費用の内訳となるべく抑えるためのポイント、費用を工面するための方法を紹介します。
引越しの初期費用は意外と高い!
引越しでは、荷物の運搬費用だけではなく、賃貸契約や家具家電の新調など、さまざまな部分で費用がかさみがちです。
引越し時に慌てることがないように、必要な初期費用をしっかりと押さえて予算を立てましょう。
ここでは、引越しにかかる初期費用について紹介します。
物件を借りるのにかかる費用
賃貸契約の際には、以下のような費用の支払いが必要です。
大家さんに預けておく保証料のことで、相場は家賃の1~2ヵ月相当です。
賃貸物件からの退去時に原状回復のための修繕費などに使われますが、修繕費が支払った敷金を下回る場合は、差額が返金されます。
経年変化や通常の使用によるダメージについては請求されないため、借りる側の過失がなければ通常は全額返金されるでしょう。
物件を借りることへの謝礼として大家さんに支払われる費用で、相場は家賃の1~2ヵ月相当です。
慣習的に支払われている費用のため、礼金が必要ない物件もあります。
なお、支払った礼金が退去後に返金されることはありません。
契約時に支払う翌月分の家賃のことで、金額は家賃1ヵ月分です。
物件の紹介や案内、契約書の作成や重要事項の説明、契約の締結などの報酬として不動産会社に支払われます。
相場は、家賃の0.5~1ヵ月で、さらに消費税が加算されます。
保証料は賃貸保証会社に支払う手数料です。
賃貸契約を結ぶ際には、家賃を滞納したときに肩代わりする保証人のサインが求められます。
保証人がいない場合に利用するため、保証人を用意できる場合は必要ありません。
火災や台風・大雨などの自然災害による、賃貸物件や家財道具への損害を補償する火災保険の保険料です。
加入は任意ですが、加入が賃貸契約の条件になっていることもあります。
保険料の相場は、2年契約で2万円ほどです。
セキュリティの観点から、一般的に賃貸物件は居住者が変わるごとに鍵を交換します。
鍵交換費用は新しい入居者に請求され、相場は1~2万円ほどです。
特殊な鍵の場合は、さらに高額になる場合があります。
引越し作業を専門業者に依頼した場合にかかる、人件費や車両代、運送費などすべてを含めた費用です。
金額は利用する引越し業者によって異なり、荷物の量や新居までの距離、スタッフの人数、引越しの時期などでも大きく変動します。
引越し業者によって得意とする分野やサービスが異なるため、複数社の見積もりをとり、自分に合った引越し業者を見つけましょう。
他社の見積額を伝えることで、値下げ交渉も進めやすくなります。
新しい家具や家電の購入費用
引越しにともない、新しい家具や家電を買い替えるかもしれません。
例えば、家具や家電を一式買いそろえるため、購入費用はかなり高額になるでしょう。
家具を持っていても引越しによって部屋の間取りが変わると、タンスやベッド、照明器具を買い替えが必要になるかもしれません。
また、カーテンは窓の大きさに合わせて購入するため、住居が変わるとたいていの場合、買い替えることになります。
さらに、見落としがちなのが処分費用です。
古い家具や家電を処分する場合に、粗大ごみの回収費用やリサイクル料金がかかる場合もあります。
高額な引越しの初期費用を少しでも抑えるポイント5つ
高額になりがちな引越し費用ですが、ちょっとした工夫で初期費用を安く抑えることは可能です。
引越しの初期費用が高額になりすぎるとこれからの生活に影響するでしょう。
新生活を安心してスタートさせるためにも、初期費用が安いに越したことはありません。
ここでは、高額な引越しの初期費用を少しでも抑える5つのポイントについて紹介します。
引越しシーズンを避ける
引越し業者の費用は需要によって大きく変動するため、引越し費用を抑えるためには引越しシーズンを避けることが大切です。
入学や就職、転勤などが集中する2~4月や9~10月は、引越し業者にとって繁忙期となり費用は高額になる傾向があります。
また、曜日選びも重要です。基本的に土日祝日は、予約が殺到しやすいでしょう。
さらに、新居への引越しのあと荷ほどきや清掃などの時間を確保するため、午前の早い時間も人気が高い傾向にあります。
引越しの予約が殺到しない、時期や曜日、時間帯を選ぶと費用を低く抑えられるでしょう。
利用できそうな助成金を探す
自治体が引越し費用の助成金を支給している場合は、利用を検討しましょう。
なかには、新婚世帯や子育て世代を支援するための助成金を用意している自治体もあります。
各自治体によって制度や利用条件が違いますが、条件が合致すれば大幅に支出を削減できるでしょう。
助成金の詳しい情報は、自治体のホームページでチェックできます。
例えば、特定優良賃貸住宅制度は、高い基準をクリアした良質な住宅が安く借りられる人気の制度です。
条件を満たしていれば、自治体や国から家賃の補助を受けられます。
また、一般的な賃貸契約で支払いが求められる礼金や仲介手数料、更新料がかからないのも魅力です。
特定優良賃貸住宅制度は人気が高く、抽選となることも多いなどデメリットもありますが、条件が合致すれば引越しの初期費用を大幅に抑えられます。
特定優良賃貸住宅制度に興味のある方は、自治体や住宅供給公社にお問い合わせください。
敷金礼金をなるべく抑える
敷金礼金は家賃をベースに〇ヵ月分と算出されるため、家賃の低い物件を選べば敷金礼金も比例して安くなります。
しかし、一般的に家賃が安くなると物件のクオリティも下がってしまうでしょう。
家は生活の基本となるため、家賃を下げようとするあまり妥協しすぎないことが大切です。
近年は、敷金礼金のかからない物件も増えているため、物件探しの条件の一つにできるかもしれません。
ただし、敷金礼金がないかわりに家賃が割高だったり、退去費用の支払いが契約の条件になっていたりする場合もあるため注意しましょう。
引越しが活発でない時期は、入居希望者は歓迎されやすいため、大家さんが家賃や敷金礼金の値引き交渉に応じる可能性が高まるかもしれません。
荷物を減らしてレンタカーや友人の車で引越しする
引越し業者に支払う費用は、努力次第で低く抑えられるものの一つです。
業者に頼らず、荷物を減らして自分たちで引越しをするとかなりの節約になります。
荷物を運搬するためには車が必要ですが、積載量の大きい車を家族や友人から借りる、あるいはトラックをレンタルするなどで対応可能です。
引越しの繁忙期には費用が高騰するため、自分たちで引越しできるなら節約できる金額も大きくなります。
しかし、引越しの内容によっては専門業者にお願いしたほうが賢明です。
例えば、遠方への引越しであれば時間や体力がかなり奪われるため、引越し後の仕事や生活に支障が出るかもしれません。
また、タンスなどの大きな家具や重い電化製品を素人が運ぶと、傷つけたり壊してしまったりする可能性があります。
引越し先が高高層階の場合も、プロの手を借りたほうが安全でしょう。
入居日を月初にする
家賃を二重に支払って支出が増えてしまわないように、引越しのタイミングを調整しましょう。
例えば、8月の半ばに引越しをすると、現在の住居の8月分の家賃に加えて、新居に住む8月の残りの日数分の家賃を日割りで払わなければなりません。
現在の住居を月末に、新居への入居を月初にすると無駄な家賃を抑えられます。
引越しの初期費用が払えないときの対策
大きなライフイベントといえる引越しですが、いつでも自分の都合に合わせて予定が立てられるとは限りません。
仕事や学校の都合で引越しの時期を選べず、やむなく高額な引越し費用を払う必要があるかもしれません。
あるいは、引越しが迫っていて、早急に費用を工面しなければならないこともあるでしょう。
引越しの初期費用を払う対策が必要です。
ここでは、引越しの初期費用が払えないときに検討できる対策を紹介します。
クレジットカードの分割払いを利用する
原則的には初期費用は契約時に支払うものですが、大家さんや不動産会社が許可してくれるなら、家賃や初期費用の支払いをクレジットカードの分割払いで支払える可能性もあります。
手元に十分な資金がないため一括は無理でも数回に分けるなら支払える、という方にはおすすめの方法です。
ただし、リボ払いや分割払いを利用すると金利がかかるため、支払い金額は割高になります。
支払い回数を増やしすぎると、その分金額も上がる点には注意してください。
家族や友人から借りる
金融会社からの借金に抵抗がある方は、家族や友人から借金できないか検討しましょう。
ある程度の信頼関係がある場合、事情を考慮してお金を貸してくれるかもしれません。
もちろん家族や友人だからといって、返済がルーズにならないようにしましょう。
借金する金額や返済期限、返済方法などを書面に残しておくと不要なトラブルを避けられます。
返済が滞ったり、不誠実な態度を示したりすると人間関係が悪化しかねません。
金融機関から借りる場合と同じように、返済期限は必ず守りましょう。
カードローンを利用する
引越しの初期費用を用意する方法としてもう一つおすすめしたいのが、カードローンの利用です。
カードローンは銀行のローンなどに比べて、申し込みから融資までの期間が短いため、急な出費にも対応が可能という強みがあります。
カードローンは一度契約すると、融資限度額までは何度でも借り入れが可能です。
借り入れのたびに手続きをする必要がない利便性は、大きな魅力でしょう。
目的ローンと違い、目的が引越し費用だけに制限されないため、引越しにともなう別の出費への対応も可能です。
カードローンは、何かと物入りなことが多い引越し費用の工面にぴったりといえるでしょう。
高額な引越しの初期費用の支払いには、「いつも」のフリーローンがおすすめです。
いつもでは、インターネットから24時間365日いつでも申し込みができます。
また、最短で即日融資が可能なため、引越しに費用の支払いや賃貸契約の日が近い方にも適しています。
借り入れたいが近くにATMがない、という方も心配ありません。
いつもは手数料無料で銀行やネットバンキングの口座への振り込みが可能なため、いつでもどこでも利用可能です。
引越しの初期費用はいつまでに支払うのか
引越しの初期費用は、一般的に契約日当日までの支払いが求められます。
大家さんや不動産会社が分割払いを認める場合を除いて、原則的に後払いは認められていません。
決められた期日までに初期費用を支払えない場合は、希望日に入居できない・契約自体がキャンセルになる、などのトラブルが発生する可能性があります。
なお、銀行振り込みの場合は、営業時間内に振り込まないと翌営業日扱いになるため注意しましょう。
まとめ
引越しの初期費用をすぐに用意できないとしても、あきらめる必要はありません。
まずは引越し費用を安く抑えられる予定を立てましょう。
敷金礼・金などカットできるかもしれない費用については、思い切って交渉してみるのも一つの方法です。
どうしても引越しの初期費用が払えないときは、費用を工面する方法を検討しましょう。
おすすめは、申し込みから融資までがスピーディなカードローンです。
引越し前は、荷造りや移動の手続きなど忙しい日が続きます。
いつもは24時間365日いつでもインターネットから申し込みができ、最短45分で融資可能なため急な出費にも対応が可能です。
引越しの初期費用の工面にお悩みの場合は、ぜひご検討ください。
名前:金子 賢司(かねこ・けんじ)
所有資格:CFP住宅ローンアドバイザー/生命保険協会認定FP/損保プランナー
おもなキャリア:東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強をはじめる。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。